何の一部だったのかを振り返る

最後の段階でどのくらい知的エネルギーを使うかで、論文の書き手がその後どのくらい成長できるかの多くの部分が決まるように思う。そこで前向きに、しかし誠実にエネルギーを費やすことが、次の研究の土壌を整え、あるいは思考のあり方の訓練となって、研究者を育てることになるのである。その難しい作業のコツを一言で言えと問われれば、私は「宙に目をやり、自分のしたことが何の一部だったのか、振り返る」と答える。

ー 伊丹敬之『創造的論文の書き方』p.240